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豆知識(旧ブログ)

さこだ歯科のスタッフが綴る、口腔内に関する豆知識です。
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口臭を気にしない人はいないでしょう。でも口臭って、強く感じるときと、そうでもないときがありませんか。それにはちゃんとした理由があるのです。

まず知っておきたいのは、だれにでも自然の口の臭いがあるということ。口のなかは湿気があって温度も高いため、食べカスなどがたまると雑菌がはびこり、臭いを発しやすい環境になっています。ふだんは唾液の抗菌作用によって、口臭もおさえられています。ところが起床時や空腹時には唾液の分泌量が減るため、いつもより口臭が強く感じられます。

仕事やプライベートで大切な人に会うというときにも、妙に口臭が気になることはありませんか。これも緊張によって唾液の分泌量が減ってしまうためなのです。また月経時や妊娠時には、ホルモンの作用によって口臭が強くなることもあります。

こうした口臭は一時的なものなので、歯磨きやマウスウオッシュ液、ブレスケア用品などで解消することができます。ガムを噛んだり、アメをなめたりすることでも、唾液の分泌をうながし、口臭が薄まります。

<生理的口臭とは>
自然な口の臭いのほかに、食べ物やタバコ、アルコールなどによって生じる臭いが生理的口臭です。食べ物のなかでも、口臭の原因となりやすいのはニンニクとネギ、ニラ、ラッキョウなど。とくにニンニクは腸から吸収された成分が血液中に入り、体中を回って肺から息として吐き出されるため、いつまでも臭いが残ります。またアルコールも本人にはわかりにくいのですが、強い臭いが漂います。

 自分の口臭を感じたとき、ニンニクの入った料理やアルコールの影響が残っていないかどうか、まず考えてみましょう。ニンニクやアルコールの臭い解消には、牛乳が効果的なので試してみてください。梅干やレモンにも、食べ物の臭いを薄める効果があります。もちろん歯磨きも忘れずに。

<病的口臭とは>
病的な口臭には、次のようなものがあります。
● 口の病気”虫歯歯周病、口内炎など。
● 鼻やノドの病気”蓄膿症や扁桃炎、アデノイドなど。
● 胃腸の病気”胃炎や胃拡張など。この関連で、舌に白いコケのようなもの(舌苔)が増え、それが臭いを発することがあります。舌苔をとる専門の用具もありますが、歯ブラシで軽くこするだけでも臭いはかなりとれます。
● 呼吸器の病気”慢性気管支炎など。
● その他”糖尿病や肝臓病、腎不全、がんなど。
 こうした病気のなかでも、もっとも口臭の原因となりやすいのは、虫歯歯周病です。じつは慢性的な口臭の原因の9割は虫歯歯周病といわれるほど。つまり口臭を気にするなら、虫歯歯周病を防ぐためのオーラルケアこそがもっとも重要なのです。そこでこの2つについて、くわしくみていきましょう。

歯周病と口臭>
口臭が強い人には、歯周病になっている人が少なくありません。

歯周ポケット(歯と歯茎の境目)にプラークがたまると、細菌によって歯肉が炎症を起こしやすくなります(歯肉炎の状態)。すると細菌の増殖でガスが発生し、それだけでも口臭の原因となります。

この状態を放置していると悪化して、出血したり、膿(ウミ)がたまって悪臭を放つことになりかねません。それどころか、歯を支える歯根膜や骨までがダメージを受け、健康そうにみえる歯がぐらつき、とつぜん抜け落ちることさえあるのです。

ただ歯周病の初期には、虫歯のような痛みはありません。そのため気づかずにひどくなるまで放っておく人が多く、よけいに口臭の原因にもなりやすいのです。歯磨きなどではなかなか口臭がとれない場合には、歯周病を疑ってみる必要があります。口臭を気にして歯科に行き、歯周病が発見されることも珍しくありません。