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虫歯菌は悪魔ではありません

2022.07.05

こんにちは、さこだ歯科の衛生士です。

先月は虫歯予防月間でした。

患者様とお話をしてると、「今日虫歯はなかったですか??」とか「虫歯がないか心配なんです。」とよく言われます。

皆さん虫歯ができる事をひどく怖がっていらっしゃるようです。そこまで恐れている虫歯なのにその虫歯がどんなプロセスでできるかご存じでしょうか?

国語のテストでい言えば「40字で答えなさい」という問題で出てきそうなくらい簡潔に答えられるものなのですが、それを答えられる人は案外少ないものなのです。

 

それはなぜか??

おそらく世間一般に広まっている虫歯のイメージ、もしくは虫歯菌のイメージというのが大きな原因かと思います。虫歯は虫歯菌が作るもの、というのはなんとなく聞いたことがある思いますが、その虫歯菌と聞いて想像するのは「頭に角がが生えて、悪そうな顔して、棘のある尻尾が生えた小さい悪魔のような虫歯菌が大きいフォーク、もしくは槍のようなものを持って歯を突っついている」という姿だと思います。

まずここに大きな間違いがあります。
虫歯菌は歯に穴を空ける道具も持っていませんし、虫歯菌は歯に穴を開けるのが大好きなわけでも、それを目的に生きているわけでもありません。

では虫歯はどうやってできるのか??

虫歯ができる過程を説明するのに大切なキーワードは3つ、「虫歯菌」・「炭水化物(砂糖)」・「酸」です。

まず私たちの口腔内には500種類以上の細菌が住んでいます。

その中に虫歯ができるのに関与してる細菌が数種類います。一番有名なのはミュータンス菌ですね。ミュータンス菌は丸い球体が繋がったネックレスみたいな形をしています。

虫歯の最初のきっかけを作るのはミュータンス菌ですが、そのミュータンス菌は口の中でも固いものの表面に住みたがる習性があります。

またミュータンス菌は甘い物(糖)が大好きです、みなさんの多くがそうであるように。

皆さんが食事で口のなかに炭水化物や糖分を入れたら、ミュータンス菌もまたそれを食べるのです。そして人間が食べ物を消化して排泄するのと同様、ミュータンス菌も糖を消化して「酸」として排泄するのです、歯の上に。

その酸が歯を溶かして穴を開けてしまい虫歯になります。なので虫歯というのはミュータンス菌をはじめとする虫歯菌が自分たちの思うように生活した結果なので最初から虫歯を作るのが目的ではありません。

なのでなぜ虫歯になるのかをまとめると「口腔内に住んでいる虫歯菌が炭水化物(砂糖)を食べて消化し酸として排泄する、その酸が歯を溶かして虫歯になる」という事になります。

なので虫歯菌が悪い顔をして、槍やフォークで歯に穴を開けると虫歯になるとお思っていたら、虫歯予防を見誤ることになります。

まずは虫歯菌が歯の表面に巣を作っている状態の「プラークをきちんと歯ブラシでこすって落とす」、虫歯菌の好きな「砂糖をたくさん食べたり飲んだりしない」、酸に溶けにくい歯にするために「フッ素を上手に取り入れる」などの方法があります。

虫歯は勝手にできるものではなくて、お手入れ不足や甘い物の食べ過ぎなど、自分の生活習慣も大きく関わっています。

適切に予防していきましょう。

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