Tips

豆知識(旧ブログ)

さこだ歯科のスタッフが綴る、口腔内に関する豆知識です。
スタッフブログは移転しました。→新スタッフブログ

ポリファーマシーとは
「複数」を意味する「poly」と「調剤(薬局)」を意味する「pharmacy」からなる、「害のある多剤服用」を意味する言葉です。
重要なのは「害のある」という部分。単純に「服用する薬の数が多い」ということではありません。

必要とする以上の薬や不要な薬が処方されていることによって、有害事象のリスク増加や、誤った方法での服薬(服薬過誤)、*1服薬アドヒアランス低下などの問題に繋がる状態を指します

*1服薬アドヒアランスとは
患者が自分の病気を理解し、医師の治療方針に積極的に協力しながら正しく服薬すること

■ ポリファーマシーの定義
患者さんの症状や病態、生活環境などによって、薬の適正な処方も変化します。
そのため「何種類の薬を併用していたらポリファーマシーに該当するのか」、という厳密な定義は存在していません。
しかし、薬による有害事象(薬物有害事象)は処方された薬の数に比例するとされ、薬の数が6種類を超えると発生頻度が大きく増加というデータを、日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」で発表しました。
一方で、治療に適正な薬の数が6種類を超えることも当然ありますし、処方された薬の数が少なくても問題が発生することもあります。
一番大切なのは処方された薬の数ではなく、その処方内容が適正かどうかという点であることを覚えておきましょう。

point
<副作用と薬物有害事象の違い>
副作用:薬の使用により生じた、薬との関連を否定できない有害な反応
薬物有害事象:薬の使用後に発生する有害な症状で、薬との関連を問わない事象

ポリファーマシーを解決するために
薬を処方する医師、患者さんをケアする看護師、調剤をおこなう薬剤師などをはじめとし、医療に関わるそれぞれの専門家が協力し合い、患者さんの情報を共有し、適正処方を心がけていくことが重要です。
そして患者さん自身は、受診する際にはお薬手帳を持参したり、かかりつけ薬局を利用したりするなどして、服用している薬について積極的な情報共有をおこないましょう。医療従事者と患者さんが一体となり、ポリファーマシーの解消に向けて一緒に取り組むことが何よりも大切です。